Net Computing 2008 5 18

 寂しいことだ。
光ファイバーと高速データ通信が、コンピュータを根本的に変えてしまう。
 私がコンピュータと出会ったのは、
日立製作所の「HITAC」という汎用コンピュータだった。
 その頃は、姿形はパソコンのように見えても、
汎用コンピュータの端末が、コンピュータ事務室に並んでいるだけだった。
 形はパソコンのように見える端末から、汎用コンピュータを操作した。
この当時は、巨大なコンピュータルーム(マシーン室)に、
冷蔵庫のような大きさの汎用コンピュータが何台も並んでいた。
それを端末から遠隔で操作した。
 しかし、やがて、「端末」は独立した。
「端末」には、高速なCPUが搭載され、専用のOSも搭載され、
つまり、「端末」は、汎用コンピュータから独立し、パソコンとなったのだ。
 その後のパソコンの歴史は、素晴らしい。
OSが巨大化し、いや、その前にCPUが高速化し、
メモリもハードディスクも巨大化し、
CPUに至っては、とてつもなく高速化し、
かつてのスーパーコンピュータに匹敵するほどになった。
パソコンの繁栄の歴史は、同時に汎用コンピュータの衰退の歴史となった。
 しかし、終わりの時は、迫ってきているのかもしれません。
インターネットの発展が、パソコンの全盛時代を築くと思ったら、
パソコンに代わって、インターネットが時代の主役となるかもしれません。
 後の世の人は、インターネットこそがコンピュータであり(Net Computing)、
机の上にあるパソコンのようなものは、インターネットの端末と認識しているかもしれません。
 光ファイバーという超高速ブロードバンドが普及した時、
あるいは携帯電話においては、高速データ通信が普及した時、
パソコンの歴史は終わり、再び端末という役割に戻っていくのかもしれません。
 インターネット上に、
ワープロソフトも、表計算ソフトも、データベースソフトも設置すればよいのです。
超高速データ通信網が、すべてを解決してしまうでしょう。
 巨大なソフトウェアをインストールするために、
パソコンのCPUをグレードアップしたり、メモリを増設する必要はなくなるのです。
 そういう巨大なソフトウェアは、インターネット上に存在するのです。
パソコンは、インターネット上に存在するソフトウェアにアクセスする端末となるのです。
 だから、パソコンは、軽いOS、軽いCPUで、適度なメモリで十分となるかもしれません。
パソコンが端末化するのですから、パソコンにはハードディスクが不要となるのでしょう。
 外付けハードディスクをUSBケーブルでつなぐことと、
光ファイバーケーブルで、インターネット上にある巨大なハードディスクにつなぐこと。
効果が同じならば、わざわざ外付けハードディスクを買わなくてもよいと思うようになるでしょう。
 「それでは、ゲームができない」という反論があるかもしれません。
しかし、今の時代は、任天堂やソニーのゲーム専用機で、ゲームをする時代です。
 以下に、「Net Computing」の概念図を描きました。

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